ジャポニスム2018「井上有一」展 パリ日本文化会館・アルビ
Kami Ya Co., Ltd
「井上有一」展/YU-ICHI INOUE — la calligraphie libérée(ジャポニスム2018 公式企画 A-5)
①パリ日本文化会館 ②トゥールーズ・ロートレック美術館(アルビ)
①2018年7月14日–9月15日 ②2018年9月29日–12月17日
日仏国交160周年を記念する国家的文化事業「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画(展覧会カテゴリーA-5)として、パリ日本文化会館で個展を開催。会期終了後、トゥールーズ・ロートレック美術館(アルビ)に巡回しました。公式企画として選定された後、展覧会の中身(出品作品の選定・構成等)はキュレーター秋元雄史氏・国際交流基金・かみ屋の3者で企画し、京都国立近代美術館の特別協力のもと、かみ屋も出品作品の主要な貸主のひとつとして書作品を貸し出しています。総入場者数はパリ・アルビ合わせて34,621人、来場者アンケートでは92%が「満足」と回答しました。
展覧会概要
展覧会名|「井上有一」展/YU-ICHI INOUE — la calligraphie libérée(直訳:解き放たれた書)
会 期|①パリ:2018年7月14日(土)~9月15日(土) ②アルビ:2018年9月29日(土)~12月17日(月)
会 場|①パリ日本文化会館(Maison de la Culture du Japon à Paris) ②トゥールーズ・ロートレック美術館(アルビ、フランス)
出品点数|書作品76点+関連資料17点=計93点
主 催|国際交流基金、トゥールーズ・ロートレック美術館(アルビ展)
特別協力|京都国立近代美術館
協 力|UNAC TOKYO、一般財団法人世界紙文化遺産支援財団紙守、全日本空輸株式会社(ANA)
キュレーター|秋元雄史(東京藝術大学大学美術館 館長、練馬区立美術館 館長)
総入場者数|パリ展:11,597人 アルビ展:23,024人 合計:34,621人
カタログ|発行部数2,500部、販売価格19ユーロ、総頁数144ページ
展覧会の意義
国家的文化事業「ジャポニスム2018」の公式企画として
「ジャポニスム2018:響きあう魂」は、2016年5月の安倍総理大臣とオランド仏大統領(当時)の合意により実施が決定した、日仏共同の大型文化芸術事業です。パリ市内を中心に20を超える会場で約8ヶ月にわたって展開され、本展はそのうち「展覧会」カテゴリー15企画の一つ(A-5)として選定されました。安藤忠雄、若冲、琳派、藤田嗣治などと並ぶ枠での開催であり、井上有一の書がフランスの国家的文化事業のなかで日本現代美術を代表する存在として位置づけられたことを示しています。
京都国立近代美術館の特別協力
出品作品の多くが京都国立近代美術館の収蔵品であり、同館が「特別協力」としてクレジットされています。代表作《無我》(1956年)、《貧》(1972年)をはじめ、同館所蔵の書作品が展覧会の骨格を成しています。
パリ→アルビという2会場構成
パリ日本文化会館での会期終了後、トゥールーズ・ロートレック美術館(アルビ)に巡回するという、単独の海外美術館だけでなくフランス国内の地方都市へも展開する構成をとりました。アルビでは会場規模に応じて出品作品・展示壁番号が再構成されています。
報道実績・来場者評価
国際交流基金の報告書によると、フランス国内での報道は紙媒体48件(Arte Journal、La Croix等)、ラジオ・テレビ7件(Arte等)、ウェブ50件。日本国内でも紙媒体9件(月刊美術、アートコレクターズ、日経新聞、毎日新聞等)、ラジオ・テレビ1件(NHKアートシーン)、ウェブ13件の掲載・放映がありました。
来場者アンケートでは92%が「展覧会に満足」、約97%が「日本についてより知りたいと思った」と回答。コメント例として「書を知ることができる、とても美しい展覧会だった」「井上が、書によって人生哲学を語ったのだと感じた」などが寄せられています。
出品作品
出品リストは5つのテーマ区分で構成されています。
・① 少字数書・一字書(造形物としての文字、美術と書の接点)
・② 絵とことば(イメージとことば)
・③ 多文字書1:社会に向けた言葉(アジテーション、戦争体験と書など)
・④ 多文字書2:遺言的なことば(遺偈など)
・⑤ 言葉書き:現代詩や童話のことば(言葉書きと朗読)
代表的な出品作品
無我 A|1956年、膠墨・和紙|京都国立近代美術館蔵
貧|1972年、ボンド墨・和紙|京都国立近代美術館蔵
噫横川民國學校|1978年、ボンド墨・和紙|群馬県立近代美術館/個人蔵(2点あり)
仏光国師偈|1980年、ボンド墨・和紙|京都国立近代美術館蔵
宮沢賢治童話 よだかの星(連作)|1984年、コンテ・和紙|京都国立近代美術館蔵ほか
宮沢賢治童話 なめとこ山の熊(連作)|1984-85年、木炭・和紙|京都国立近代美術館蔵ほか
上記のほか、井上有一が生前使用した筆、レゾネ(作品集成)全三巻、写真家・繰上和美撮影のポートレイト、仕事場で使用した絨毯(アルビ会場のみ展示)が関連資料として出品されています。
関連プログラム
フランス語版の教員向け副教材が制作され、中学・高校向けの教育普及プログラムが実施されました。記者発表会も開催され、フランス・日本双方のメディアに広く取り上げられています。
出品作家について
井上有一(1916-1985)は、戦後の日本現代美術を代表する書家です。紙と墨からなる「書」を、現代芸術の文脈のなかで個人の表現として開花させました。教員として41年を勤めながら制作を続け、国際的にもきわめて早い時期に評価を得た数少ない日本人作家のひとりです。
会場写真
写真提供:国際交流基金「ジャポニスム2018 井上有一展」報告書より(パリ6点・アルビ2点)