Contact Us

Use the form on the right to contact us.

メールでお問い合わせの方は、右記フォームをご使用ください。

TeL

+81 (0) 3 3231 2886


中央区, 東京都, 103-0023
日本

+81332312886

KAMIYA ART is a leading contemporary and modern art gallery, representing one of the most important Japanese post-war artist Yuichi Inoue (YU-ICHI) 井上有一, Morihiro Hosokawa (細川護熙) and Shiro Tsujimura (辻村史朗).

DSC08308.JPG

へぐり材料加工

直営農園では、日本の山々で育った楮や三椏から黒皮がつくられます。黒皮を文化財に使用可能な紙の材料にするために、「へぐり」と呼ばれる加工作業を通して、白皮を生産します。かみ屋では、黒皮一本一本を手作業にて、白皮に加工しています。

かみ屋 紙原料加工所

日本の「かみ」本来の紙質をもつ紙を作るために必要な白皮を手作業で生産しています。

伝統的な紙産業を考える場合、一般的には水の中で原料となる楮や三椏の繊維を漉き上げていく工程に注意がいくことが多く、原料そのものを考える機会をそう多くないように思います。しかし一方で、紙の品質や性質を決める重要な要素をより多く含んでいるのが、原材料の生産とその加工処理にあることはあまり知られていません。かみ屋では、設立当初から原材料の生産と、原材料の加工処理過程の重要視してきました。

原材料の処理は、「へぐり」と呼ばれ、農場で生産された黒皮を原料に、真っ白な画用紙に必要な白皮部分を取り出す処理を行います。ここでの処理によって紙の質に大きな影響が出てきますが、「へぐり」は大変手間と時間のかかる作業となります。近代では、この処理を化学的に漂白するなどして大幅に簡略化しています。白くないものを化学的に白くすることで、大幅に手間を省くことができ紙の価格を安価にすることに貢献していますが、一方で本来の日本の「かみ」が持っていた保存性を大きく損じる結果となってしまいました。多くの用途においては、近代化された紙の質でも十分に楽しむことができますが、世代を超えて保存することを前提とする美術品や文化財の基底材としての「かみ」としては、必要な紙の質を保持しているとは言い難いものとなってしまいます。そこで、かみ屋かみ屋原料加工所では、全てのを手作業でへぐり、必要な白皮を一つ一つ手間をかけて生産しています。

楮 | paper mulberry


白皮の生産「へぐり」

木を根こそぎ切り倒しその全てをパルプ化して紙にする近代の西洋紙とは異なり、日本の伝統的な紙は若い枝のみを採集し、その表層の皮を材料として使用します。生えてきた一年枝や二年枝を刈り取り、一本一本手作業でその皮を剥いでいきます。手作業で剥がされた皮は、表面に茶褐色の皮がついているため「黒皮」と呼ばれ、農園では育てた楮や三椏からこの「黒皮」を生産しています。

日本には、山を見渡せば各地に楮や三椏が自生していますが、そこからこの黒皮を得る仕事をする職人が高齢化に伴いいなくなりつつあります。日本の「かみ」を作る上では欠かすことのできない黒皮生産ですが、なくなりつつあるのが現状です。上質な画用紙や文化財修理に使用する真っ白い紙を作る上で欠かせない材料です。



R2 事業再構築